月経周期と(望ましい)セックス
女性のからだとこころは、月経周期によって変化が起こります。その変化は、性の衝動に関係する4つのホルモンが関係しています。
性の衝動に関係する4つのホルモンとは。。。
- エストロゲン…性欲を増進させ、女性らしい体へ導く。
- プロゲステロン…性欲を抑制する。
- オキシトシン…抱きしめホルモンともよばれる愛情を感じるホルモン。
- テストステロン…男性ホルモン。性欲を増進させる。
こちらのグラフを見てください。
この4つのホルモンによって、私たちの性の衝動や性の感覚がコントロールされています。
ホルモンの働きをよく知って、月経周期やその時の体調に合わせたセックスをしましょう。
このページでは、月経周期にともなう望ましいセックスの仕方についてお伝えしたいと思います。
<月経中>
月経中は、出血も多く月経痛もあるので、あまりセックスをするには望ましくない時期です。
<月経が終わってから排卵まで>
月経が終了するとエストロゲンとテストステロンの分泌が徐々に増え、排卵の直前には一気に増えます。体調も良く、性欲も増進するときなので、どんなセックスにも対応しやすい時期です。
膣の中に指を入れて激しい愛撫をしたり、挿入中に激しく突いたりなど、楽しむならこの時期がおすすめです。
<排卵期>
排卵の時期に男性のペニスで子宮を強くついてしまうと、それが刺激になって排卵が促されることがあります。その時に強い排卵痛がおこることがあります。
排卵の時期にセックスをしてお腹がどーんと重いとき、その次の日にセックスをすると、ズキッとお腹が痛むことがあります。排卵が終わった後も引き続きお腹が痛むこともあり、排卵日以降は強くペニスで突くことはおすすめしません。
<排卵後から次の月経まで>
排卵後から次回の月経まではプロゲステロンの分泌が増加します。プロゲステロンの作用で腸管の動きが鈍くなり、お腹の中にガスが溜まったり、または排卵の影響でお腹の中に腹水が溜まってセックスの時に刺激になることがあります。この時期に、男性が挿入時にペニスで激しく突いてしまうと、お腹がズキっとした痛みが出ることがあるので、激しくペニスで突くことはお勧めしません。
排卵した後は妊娠しているかもしれない時期。からだが妊娠の可能性を考えて、激しい行動を抑制するようになります。よって性欲も低くなります。
また、月経前症候群(PMS)といって、排卵後に増加するプロゲステロンの作用で腹痛、腰痛、頭痛、乳房痛、イライラ、眠気、倦怠感、不安感など体調が万全ではないような状態に陥る女性が少なくありません。
月経のある女性の70~80%はこの時期にはからだやこころの不調や変化を感じ、5.4%の女性が「社会生活に支障をきたすレベル」と言われています。
この時期には、攻撃的な性格になりがちなので、パートナーのちょっとした言動にイラっとしたり、当たり散らしたりすることもあります。
そのことを女性もよく認識して、セックスをする気分にならない時は「この時期はこころもからだも調子がよくないのでまた違う時期にセックスは楽しみたい」とはっきりと伝えることも大切です。
また、排卵日以降は生理的におりものの量が増えます。それに伴って膣炎を起こす女性も増えてきます。膣炎が起きて外陰部の粘膜が荒れているときに膣の中にペニスを挿入すると、荒れた粘膜が傷ついて痛みが出る方もいらっしゃいます。
おりもののにおいがする、かゆみを伴う、黄色や緑色など何らかの色がついている場合は、膣や外陰部で炎症を起こしている可能性があります。性交後にひりひり痛い、セックスの時に裂けそうに痛いという感覚が出る場合もありますので、その場合は病院に行って膣炎の治療をすませてからセックスをすることをお勧めします。
排卵が終了してからしばらくの間は、性欲は低下していますが、月経の直前になると再び性欲が増進します。
月経の直前はプロゲステロンとエストロゲンが大きく落ち込んでいく一方で、性欲を司るテストステロンの分泌は低下しないため、テストステロンの作用が強調されます。ですから、よく月経前はムラムラする、と言われるのです。
「抱きしめホルモン」と言われるオキシトシンの分泌は、月経後に最も分泌される人、排卵日ごろに最も分泌される人、月経前に最も分泌される人とさまざまな形があります。従って女性が「抱きしめてほしい」と思う時期も様々です。自分のパターンをつかんでパートナーにも伝えるようにしてみましょう。
男性も女性も、からだの仕組みをより良く知っておくことで、お互いが気持ち良いと感じる、幸せだと感じることのできるセックスができるのではないでしょうか。自分の月経周期でのこころやからだの変化を知り、それをパートナーにも伝えて素敵なコミュニケーションをもちましょう!