「50才を過ぎて何をいまさら・・」
そうおっしゃる方も多いと思います。
「二番目の子供が生まれてからはずっと放っておかれたし、あの人は子育てにも非協力的だった。それを今になって。」と、かえって怒りを覚える人もいるかもしれません。そういったセックス以前のパートナーとの関係性の問題はさておいて、なぜ今、中高年男子が性にこだわるのか、まずはここを分析してみましょう。
最近の男性週刊誌の見出し。
「死ぬまでセックスー60歳からが本番です」「60歳から現役復帰のススメ」
といった見出しが目立ちます。
日本人の平均寿命は男性女性ともに年々上がってきています。60歳を超えても元気な人が増えています。
その一方で、近年男性性機能を画期的に改善する薬剤が普及しはじめました。ホスフォジエステラーゼ(PDE)阻害薬と呼ばれるもので、バイアグラが有名ですが、最近のものはより副作用が少なく、なんと「前立腺肥大症」の病名がつけば保険処方もできるようになりました。
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女性の皆さんの知らないところで、ひそかに中高年男子の性の革命が起こっているのです。
上掲の男性週刊誌の記事が元気な背景には、実はそういう事情が隠れています。
男子が元気を取り戻したとき、パートナーである女性のとる道は2つあります。
1.放っておく。
2.付き合って相手する。
1の場合、男性にお金があれば若い娘と浮気するかもしれません。私は私の人生で好きなことを楽しむ。それはそれで割り切った一つの考え方です。
一方2は決して悪い選択肢ではありません。子育てからも解放されて二人の時間が戻ってきた中で、ふたたび若い頃のようなときめきを感じることが出来るかもしれません。
しかし、ここに問題があります。それは女性の膣と言うのは、閉経後粘膜の萎縮が始まり、機能が低下していくという点です。婦人科的な対処としては、女性ホルモンの内服や膣錠がありますが、必ずしもすべての人に向いているわけではありません。
多くの場合、女性は膣潤滑剤を探して購入しますが、それはカルボキシメチルセルロース(CMC)というおむつの吸水材としても用いられている本当にただの潤滑剤で、「大人のオモチャ」として売られているローションと成分は同じです。中高年の女性器の再生というのは、これまでおよそ注目されていなかった、誰も真剣に取り組もうとしてこなかった分野なのです。
今これを書いているのは2016年ですが、2020年ころには、きっとあちこちで研究や創意工夫がなされて、閉経後の女性も今よりもずっと性を楽しむことができる時代になっていることでしょう。
その日のために、お顔やボディの美容若返りと同時に、膣のメンテナンスも心がけたいものです。